どうも、はやぶさです。
今回の記事は「元地方公務員の僕が赤裸々に語る、地方公務員の安定とリスクと将来性について知っておくべきこと」と題して話していきます。
この記事は、地方公務員を希望する就活生・転職希望者の方に向けたものです。
さて、地方公務員は一般的には安定していると言われていて、現代かなりの人気の職業だと思います。特に、不景気には人気な職業です。
が! 長い目でみると、「地方公務員って本当に安定しているのか・・・?」と考えられる部分も実は多いんですよね。
実際、地方公務員を4年とちょっと勤務していた僕としては「地方公務員になれば一生安泰!」とはいかないということをひしひしと感じました。
そんなわけで、元地方公務員で一般行政職として働いていた僕が、実体験の中で感じた、地方公務員の安定・リスク・将来性について話すので、ぜひとも参考にしてみてください。
ちなみに、この記事を書いている僕は、元々、大きな都市の行政職員として4年ちょっと働いていて、部署異動も経験しております。
現役で地方公務員の友人とも今でも交流が深いので、説得力はある話ができるかなと思います。
今、もしあなたが、地方公務員に就職しようと思っている、または、転職しようと思っているのなら、必ず学びになるところは大きいはずですので、ぜひ知っておいてほしいです。
地方公務員は本当に安定と言えるのだろうか?
さて、突然ですが、あなたが、地方公務員を希望する一番の理由はなんでしょうか?
仕事内容?やりがい?市民への貢献したい気持ち?
人それぞれあると思いますが、僕の周りにいた同期や先輩方の多くは、
- 転勤がない
- 安定している
この2つが地方公務員を希望していた大きな理由でした(というか、僕自身も元々そうでした)。
あなたも、もしかしたら、こういったところに公務員の魅力を感じているかもしれません。
確かに、地方公務員は転勤がありません(国家公務員はあります)。
厳密に言えば、出向や他都市にある支部への転勤もあることはあるのですが、基本的には採用された市内・町内での勤務になります。
転勤がないっていうのは、将来設計においてかなり重要な部分ですよね。
なぜならば、マイホームを買うとか、子どもができても転校しなくていいとか、単身赴任で妻子を寂しい思いをさせる心配もないからです。
実際に、民間企業で働く知り合いで、戸建てを買った瞬間に異動の辞令が降りてしまい、一回も家に住まずに単身赴任している人もいます(いや、本当にひどい話ですよ・・・^^;)
なので、「転勤がない」という点に関しては、僕自身、地方公務員の圧倒的な強みだなと感じています。
で、地方公務員が魅力的に思われている2つ目の「安定している」というものについてです。
まぁ、これはなにをもって安定していると言えるのか?という点が重要ですが、例えば、
- 下手なことをしない限りリストラされないから、安定している
- 年功序列で勝手に給料が上がっていくから、安定している
という一部分をみたら、確かに安定していると言えるかと思います。
実際、僕の同期で新聞に載るくらいの不祥事を起こした職員がいましたが、減給もなく、今でも普通に働いていますからねw
文書による戒告(悪いことはしたらダメよ!と言う通知的なもの)くらいはありますが、減給やリストラなんてことはなっかなか遭遇しません。
また、給料も年功序列で上がっていきます。
だからこそ、使えない50代の職員(←失礼)が年収600万円もらってた!とかも普通にありますし、反対に超優秀な20代の若者職員の年収は300万円ちょっとです。
なので、長くいればいるだけ給料が上がっていくシステムなので、年功序列が好きな方にとっては天国かと思います。
(僕みたいな、実力で給料を決めてほしいと思っている人間にとっては合いませんでしたw)
んで、ここまで地方公務員の大きな2つの魅力についてお話してきましたが・・・
ただですね。
地方公務員を退職した僕としては、
「リストラもないし、給料も年功序列で自動的に上がっていくからといって、地方公務員は安定しているとは言い切れない」
と感じています。
忘れられがちですが、当然、地方公務員にもリスクはあります。
そして、そのリスク部分をよく理解しようとせずに、なんとなく地方公務員になってしまうと、人生レベルで生じる大きな影響もあります。
というわけで、取り返しのつかないことになってしまわないように、ここからは世間ではあまり語られない地方公務員のリスクについて説明していきましょう。
【体験談】地方公務員が構造的に抱えている2つの大きなリスク
というわけで、ここからは地方公務員のリスクについて、僕は実際に感じたところを中心にお話ししていきます。
それが、
- スキルや専門性が身につきにくい構造になっている
- 市場価値が上がらないから、やめても転職先でアピールできる実績がない
この2つです。
それぞれ解説していきますね。
1:スキルや専門性が身につきにくい構造になっている
採用される職種にもよりますが、地方公務員は基本的にはジェネラリストを育成するようなプログラムが組まれていることが多いです。
特に、僕みたいな、いわゆる大卒で公務員試験を受けて新卒時に入庁した一般行政職はそうですね。
ジェネラリストとは、民間企業でいうところの総合職というものですが、地方公務員は、ジェネラリスト育成の観点から数年おきに部署異動があります。
僕も最初の部署(福祉系)には4年ちょっといて、そこから全くの畑違いの部署に異動となりました。
で、この「数年おきの部署異動」というのがなかなか厄介なんですよ。
というのも、例えば、市役所の業務といっても、やることはとても広範囲にあります。
- 福祉
- 医療
- 土木
- 財政
- 総務
- 都市開発
- 教育
などなど、役所の業務は広範囲すぎるので、部署を異動すると、全く何も知らない部署に送られることになるわけです。
というか、僕自身がそうでしたが、様々な部署を経験させるのが目的なので、全く畑違いのところに送られることも多々あります。
いってみれば、部署異動は転職みたいなものです。
例えば、今日までは教育系の仕事をしていたのに、明日からは土木系の仕事をするのですから。
で、その新しい部署で一から業務を学び、数年経ってまたそこからいなくなるという流れを繰り返します。
ということは、部署異動を繰り返した結果どうなるのかと言うと、
「自分の中に確固たるスキルや専門性が残りづらい」
という状況になってしまうわけです。
要するに、色々な部署を経験してきたゆえに、なんでもそこそこにこなせる職員にはなれても、「自分はこのスキルや専門性があります!」と自信をもって誇れるような確固たるスキルや専門性を習得するのが難しいという状況になります。
だからこそ、40歳、50歳になって自分のキャリアをふと振り返った時に、確固たるスキルも専門性もなく、ただ色んな仕事をそれなりに経験してきただけであるという事態にもなってしまいます。
つまり、それは、労働者としての市場価値が低いままであるということです。
とここで、
「市場価値が低いと何が悪いの? 別に公務員なんだから市場とか関係ないじゃん!」
と思われたかもしれません。
では、なぜ、スキルがなく市場価値が低いことがリスクが高いのか?
地方公務員が抱える2つ目のリスクにも関連するので、説明しましょう。
2:市場価値が上がらないから、転職先でアピールできる実績がない
スキルや専門性が身につかず、市場価値が低いままだとどうなるのか?
端的に言えば、「一生、公務員を辞められない状況になる、または、辞めてもいい転職先が見つかりにくい」これが答えです。
これは実際に僕の同期にも起こったことなのですが、地方公務員も普通の人間なので、人間関係や仕事の忙しさで普通に精神的におかしくなりうつ病になることがなります。
で、僕の同期はいわゆるリア充的な明るい奴で精神を病むタイプではなかったのですが、それでも、異動後の部署がとても忙しくて精神的に病んでしまったんですよね。
で、2か月ほどの休職期間を経て職場になんとか復帰できたのですが、もしも、このまま地方公務員を辞める事になってしまったらどうなっていたか?
4、5年は地方公務員として働いていたわけですが、専門性を追求していたわけではないので、市場価値は低かったはずです。
ちょうどバブルの時代に、ある大企業の部長がリストラに遭ってしまい、転職活動をする中で面接官から「あなたには何ができますか?」といった質問に対して、「私は部長ができます」という回答をしたという笑い話がありますが、
実際に、地方公務員を退職して、転職活動をすることになった時、「私は○○ができます」と自信をもってアピールできるスキルや専門性がなかなか身につかないわけです。
だからこそ、一度入庁したら、なかなか退職するという選択肢が取れにくくなります。なぜならば、その後の転職市場での価値が低いからです。
もちろん、「そんじゃあ、辞めなければいいじゃん」と言えばいいと言えばそれまでです。
ただ、人生でいつ何があるのかなんてわかったものじゃないですよね。
- 親の介護で地元に帰らなければならない
- 部署の人間関係に疲弊して退職せざるを得ない
- うつ病になり、働く気力をなくした
- 仕事に面白みを感じることができずに、新しいことに挑戦したくなった
などという理由で、地方公務員を辞める時がいつきてもおかしくないわけです。
しかも、これからの時代は、AIの発達により、多くの行政職が行っている一般的な事務の仕事もほとんど価値がなくなっていくことが予想されます。
実際にこういう記事もあります。
参考:【つくば市】自治体で全国初:RPAで働き方改革。対象業務で約8割の時間削減
となれば、地方公務員は、市場で求められるスキルが身に着くわけでもなく、しかも、AIにも仕事を取られるしまうということになってしまい、「自分の存在価値はなんなのだろうか?」と自問自答してしまうことにもなりかねません。
というか、AI技術によって業務そのものがなくなれば、それこそ今後は地方公務員にも、リストラがもっと積極的に行われるようになったりする可能性も高まります。
なぜならば、そもそもの人員がいらないからですね。
2020年5月時点では、新型コロナウイルスの影響もあってか、転職市場が冷え切り、公務員人気が続きそうな空気感はあります。
ただ、10年、20年、30年先を見通した時、本当に公務員はリスクが少ない仕事とは言えないはずです。
地方公務員は将来に向けてどうするべきか?
というわけで、地方公務員の安定とリスクと将来性について、僕なりの意見を書いてみました。
地方公務員が抱える構造的なリスクはこちらの2つでしたね。
- スキルや専門性が身につきにくい構造になっている
- 市場価値が上がらないから、やめても転職先でアピールできる実績がない
今、あなたが新卒での就職であれ転職であれ、地方公務員を希望しているのであれば、ぜひともこのことは頭に入れておいてほしいです。
2020年の現在であれば、新型コロナウイルスの影響もあってか、地方公務員は確かに安定していて人気ですが、これからの時代どうなるかわかったものではありません。
実際、僕も、20歳そこそこの知人が公務員を受験する!と言いだしたら、普通に止めると思います。
というか、地方公務員が美味しいのは、給与が右肩上がりで伸びていた今の40歳以上であり、これから地方公務員になる人は大した旨味なんてないんじゃないか?とさえ思っています。
で、この記事を読んでもしかしたら、不安な気持ちになられたかもしれません。
そこで、僕なりなアドバイスというか思うことを言わせてもらうと、地方公務員になるならないに関わらず、
「市場で求められるような希少性の高いスキルや専門性を得ておくこと」
が必要です。
これまで話したように、仮に地方公務員になったとしても、いつどこで退職するという選択をとるかはわかりません(これは民間就職も同じですが)。
そうであれば、いつ何が起きてもいいように、日ごろから自分の市場価値を高めるような行動を起こしておくのがオススメです。
オススメというか、やらなきゃかなり危険だと思います。
本当に、40歳、50歳になった時に、なんのスキルも専門性もないまま社会に放り出されるってかなりやばいことなので。
で、僕がオススメする自分のスキルや専門性の高め方は、自分で小さくてもビジネスを行ってみることです。
公務員はコスト感覚に厳しい人が少ない(部署によります)ので、自分でビジネスを行ってみて、自分の手でお金を稼ぐという経験をすることは、とても意味の深いだと感じています。
実際、僕自身、昔はなんのスキルもないただの地方公務員でしたが、今ではインターネットだけで生計を立てられるようになり、公務員時代の収入よりも大幅に超えることができました。
しかも、
- インターネットを活用したマーケティングスキル
- 商品の販売戦略の構築スキル
- 成約を高めるコピーライティングスキル
- Webメディア運用スキル
- Web広告運用スキル
など、公務員時代には絶対に身につかなかったであろうスキルをたくさん身に着けることができています。
しかも、新型コロナウイルスの影響で人々の生活様式が変わったので、これからの時代はビジネスの主戦場がオフラインからオンラインに移行します。
なので、オンラインで使えるビジネススキルや専門性が、時代柄かなり求められてくるはずです。
こうやって自分のレベルを上げていって、スキルや専門性を磨き続けていけば、必ず希少性の高い人材になることができて、食いっぱぐれる可能性も激減します。
というわけで、あなたもぜひとも、まずは小さくてもいいから、ネットで商売をしてみることが超オススメです。
地方公務員になるならないに関わらず、いつ何があってもいいように自分のスキルや専門性を高めておくという視点を持って生活するといいですね。
なお、こちらの記事に、僕の体験談を交えながら、地方公務員の内部事情を暴露してますので、ぜひ、こちらもご覧くださいませ。
- 試験は難しいの?
- 残業はどのくらい?
- 給料はいいの?
- というか、ぶっちゃけモテるの?
- 仕事は楽しいの?
などなど、受験生の方であれば気になるところについて、内部側の人間として書かせていただきましたので、参考になるところも多いはずです^^
参考:【就活生・転職者向け】元地方公務員が内部の実情を徹底暴露しちゃいます
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
はやぶさでした!